2011年8月13日土曜日

超音波診断装置

超音波の機械は日々進歩しています。

どんどん新しい技術が開発されます。
デジタル画像になって、画像診断というものが格段に進歩しているのだと思います。
この技術の進歩に使う人間はついていかなければなりません。

その為にはやはり、原理を知ることが大切なのでしょう。
原理。


つまり、物理ですね。


ムムム...


超音波は音です。
つまり、波の振動な訳です。
波が伝わる早さと言うものも大切になってきます。


ッムムム....


やはり、物理の知識は必要なようです。


検査をするときに、いろいろなボタンが機械についています。
一応プリセットで色々作ってもらいますが、患者さんによって違うので、やはり最終的に自分で調節したりします。


何を触ればよいのでしょう? どうすれば、見えやすくなるのでしょう?


何をよく触りますか?


マップは好みでしょうか....? 



私は...
脂肪性の人の場合は、音速を変えたりします。
大きなオッパイの人で減衰が激しい人は周波数を落としたりもします。
後方エコーの確認の為にコンパウンドを触ったりもします。
MMGで指摘された石灰化を見つける時はダイナミックレンジを触ったりもします。

それから、それから....



皆さんはいかがですか? 


やはり、物理の勉強をして原理を理解して検査に望みたいと思います。
患者様の為です。



日々、精進。



2011年8月3日水曜日

JABTS26 ーMLTってなんだ?

7月30.31日に自治医科大学で開催されたJABTS26に参加してきました。



今回は震災の影響で、遅れて開催されました。
規模もいつもより縮小されていました。


今回は甲状腺の勉強をしたかったので、甲状腺のセッションにも出てみました。
なかなか難しいですね...。

ただ、今回の原発事故を受けて福島で未成年者に対して甲状腺の超音波スクリーニング検査が行われる計画があるそうです。
JABTSとしても全面協力していくそうです。

これは、非常に良いことだと思います。
長期的に検診システムを作ることは大切だと思います。


さて、乳腺は...
今回の「組織型を極める」は Mucocele-like tumor(MLT) でした。

これは、ややこしいですね。
MLTとは...?拡張乳管内に粘液が貯留している。一部が破れて間質内に粘液が漏れ、粘液瘤様腫瘍の像になるようです。

ん? 

コレだけ聞くと... よくわかりませんねぇ。
粘液を産生する細胞があるようです。そして、乳管の中に溜まって、それが破れて間質に漏れ出るようですが、どうして破れるのでしょう?破れたところは異常な細胞でもあったのでしょうか?
あんな、こんなと思っていたら、やはり質問がありましたが、はっきりとした解答は得られなかったように思います。



粘液貯留というと粘液癌とどう違うんだ?ということになります。
粘液湖の中にがん細胞が浮かんでいると、粘液浸潤と言うんだそうです。

このMLTというのは診断名ではなく状態を表す言葉だそうで、悪性のこともあれば、良性の時もあるようです。

このMLTの周囲に連続して非浸潤癌や粘液癌を合併する例や、その周辺部実質内に異型乳管過形成や癌が出来ることもあるようです。

ますます、難しいですね。


それから、石灰化も手がかりになるようです。
MMGでは癌のときに見られる石灰化よりはすこし角の取れた、丸みを帯びた石灰化のようです。


こうして考えると、ますます難しいですね。


各施設から、いろいろな症例の報告がありましたが、閉経前の女性に多い感じでした。
そして、超音波画像を見るにつけ...超音波で極めることができるのか? と思ったり...

ふむ。


共通した画像は、拡張した乳管または嚢胞。
大切なことは壁の肥厚が起こっていないか...?の確認です。

高輝度エコーが見えるのはおそらく石灰化なのだとおもいます。


ディスカッションの時間が無くなって、まとめられなかったのがなかなか残念ではありますが、なんとなくこんなものかぁ〜と言うイメージは出来上がったかな?



難しいですね。



次回は9月25日(日)大阪です。