2010年10月25日月曜日

色んなフィルター

高性能の機械は使いこなすのが大変です。

私はまず、脂肪性の乳房なら音速を補正します。そして、腫瘤が見えたらハーモニックや、コンパウンドをさらに調節します。
石灰化を強調したいときはダイナミックレンジを触ってみたりもしてみますが....

本当にこれで、良いのだろうか?

う〜ん。


まだまだ、あります。ノイズを消したり...色んなボタンがあるわあるわ...



今日は高齢の、ボリュームのある脂肪性の乳房の方の検査で、困ってしまいました。
とにかくクーパー靭帯からまるですだれのようにシャドーが入り、どうにもこうにも....

周波数を変えてみたり、フィルターを入れたり、切ったり...
少々圧迫したら、減衰がへるかな?と思ってみたり...

結局スッキリせずに検査終了。

どうしたら、綺麗に描出出来るのでしょう? 
良い機械だけに、なんだか難しい。


日々、精進。

2010年10月24日日曜日

病理の話し

超音波検査とは...超音波を体内に入射し、物体に当たったところで反射して返ってくる波を画像にしたものです。(簡単にいうと)
モニターにそれっぽい絵が出るので、なんとなく本物を見ているような錯覚に陥りますが、あくまでも虚像です。

例えば、肝臓の脂肪肝も白っぽく見えるのは、脂肪がのって白く見えているのではなく、肝細胞に脂肪が付くと不均一な反射がそこで起こっているため白っぽくみえるのです。
(なんだか、ヘタくそな解説ですね。すみません)

で、乳腺超音波ですが...例えば腫瘤の中にcysticな部分が見えた。でも、それは均一なものがぎっしり詰まっているわけで、水分かもしれないけれど、細胞がぎっしりかもしれない。

色々なものが混ざっていたら、反射が起こるので白っぽく見えますし...


でも、これもあくまでも虚像。映し出されているものは、超音波の反射したものを画像にしただけ...


そして、こたえは病理。

どんなに超音波で、こんな風に見えた!と思っても、やっぱり病理で確認して答合わせをしないと進歩はないと思うのです。
超音波検査と病理検査。裏と表で遠いようで近い検査かもしれません。


超音波検査室から飛び出して、病理検査室にも行ってみましょう。

案外新しい発見があるかもしれません。

2010年10月23日土曜日

ブレストケアセミナー

今日はブレストケアセミナーがありました。

乳がん診療に携わるスタッフの育成と言うテーマで、私は超音波検査を行なう検査技師代表という立場で話しをしました。

アンケート結果では、放射線技師や細胞検査士に比べると、育成という意味では乳腺超音波検査はまだまだ医師の手によって行なわれている施設も多いようです。

今は、検診をやっと検査技師の手によって行なわれ始めた...と言うところかな?と思います。

これから、どんどん人材も増えて、伸びてくる領域になることは間違いないと思います。


色々な職種の人の話しを聞くことが出来て、とても勉強になりました。




ところで....今日の発表ですが、私のMacのせいなのか? デュアルディスプレイというか発表者ノートがうまく設定できませんでした。
う〜ん。
ノートが見えないので、ちょっと、焦りました....

2010年10月20日水曜日

超音波認定技師

先日、ある医師から

「超音波認定技師が少ないのはどうしてだと思いますか?」
と聞かれました。

検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師は各施設揃っているけれど、超音波認定技師が思ったよりも少ない事を不思議に思っていらっしゃいました。

う〜ん....


なぜでしょう? 

まず、超音波検査は独占業務ではなく、今まで医師が行なう施設が多かったと言うことでしょうか? 検査技師が行なっていないのは、検査者の力量で結果が変わることも原因の一つかもしれません。

JABTSの実力試験は受験資格と言うものはありませんが、日超医の認定試験は超音波医学会もしくは超音波検査学会に3年以上の在籍が必要となり、検査室内でローテーションなどあれば難しいのでしょうか?
また、近くに認定医がいなければ、推薦状を書いてもらえませんし...

かく言う私も、認定は持っておりません。(超音波検査を初めて3年、今年度やっと在籍年数の資格を得ました。)
表在領域は...乳腺は検査をしていますが、甲状腺、唾液腺、耳下腺などの検査は行なっていないので症例提出が難しい....
どこかの病院に研修、実習に行かないといけません。

なかなかハードルが高いですね。

近年、健診領域が出来たのでそちらで受験は可能ですね。


認定は超音波の基礎、臨床などの試験なので知識として大切なことです。
JABTSは静止画、動画の読影試験と言うことでやはり大切なことで...両方資格があると一番いいのでしょうね。



表在領域ではなく、乳腺領域、甲状腺領域に別れたら、もう少し認定をとる技師が増えるかも? どうかな? 

2010年10月16日土曜日

よかった

先日、ちょっと嬉しいことがありました。


午前中は人間ドックの腹部エコーをやっています。

カルテを見た時に、名前に覚えがあるな...と思ったのですが、はっきりとした記憶ではありませんでした。
検査を始めると、
『去年こちらで乳がんを見つけていただきました。自分でも自覚症状が無かったので、びっくりしましたが、早かったのでこうして今元気にしています。』
そう言われました。

そこで
!! 

思い出しました。


その方は、私の顔を覚えて下さったみたいで、検査が終わってからも
『おかげさまで、命を頂きました。ありがとうございました。』
と言われ、深々と頭を下げて行かれました。


検査をやっていて良かった...と心から思いました。



こんな人が一人でも増えるように、日々の学習を頑張ろうと思いました。

2010年10月13日水曜日

雲で遊んでみました

札幌でたくさん空の写真を撮りました。


ちょっと、雲であそんでみました。  


もしよかったら、いかがですか? 

マーサのつぶやき

嚢胞内腫瘍 vs 腫瘤内嚢胞変性

検査をしていて、失敗...というか反省する事がありました。


若い40代の女性で、『2㎝くらいの大きなしこりがあります。』と、触診の先生から急遽検査の依頼がありました。
MMGを見ると、微細石灰化を伴う腫瘤が写っています。濃度はそこまで高濃度でもありませんでした。でも、明らかに悪性を疑う画像でした。

....で、検査室に患者様に入ってもらって...私も検査の前に触診をさせてもらっています。
!? 
可動性良好です。

で、検査を始めると...大きな2㎝ちかい等〜低エコーの腫瘤が描出されます。
内部不均一。
嚢胞変性を起こしているな....と考えながら検査をしていました。
後方エコーはかなり増強しています。境界は明瞭、ハローはなく、前方境界線も圧排のみ。

粘液癌かな? 

充実腺管癌かな? 

でも、可動性が良好で...線維腺腫? 

おやおや? 

と思いながら、報告書を書きました。



FNACをすると血液が引けました。


検査のあと先生と話しをすると、このような石灰化をみたら悪性ならまず、comedoを疑う。
おそらく急に大きくなったのは出血した血液がたまったから。
『DCIS、嚢胞内腫瘍だと思うよ。』といわれました。

あ! 
言われて、そうか....
嚢胞変性と思い込んで検査をしていました。なんだかしっくりこないなぁ...と思っていましたが、嚢胞内病変だったのか!! 

検査の途中で頭にも浮かばなかった....
最初に思い込んでしまって、嚢胞内腫瘤が頭に浮かんでも来ませんでした...

反省。


大きく反省しました。  
教訓にしたいと思います。

2010年10月12日火曜日

アメリカの分類、日本の分類

先日のJABTSで、あるセッションでのことです。

BI-RADSと日本のカテゴリ分類について議論がありました。

私は、あまりBI-RADSに詳しくないのですが、アメリカで出来たものでカテゴリ分類に対応してその後の検査、対応の仕方などが振り分けられていくもの...?だったかな? 

日本との決定的に違うところはC3は良性で短期間のフォロー、日本の場合は良性〜悪性を疑うものまでと幅が広く、要精密検査対象となるところ。そしてC0があるところでしょうか。

このC0とは....
この検査だけでは判定する事ができず、次の検査が必要と言うもの。


ざっと、こんな感じ...だったと思うのですが、このBI-RADSにあわせるべきだ。という意見と日本は日本の医療に即したカテゴリ分類をという考え方と...

MMGのカテゴリ分類は定着もしているし、変えるのも難しそうですが....

もし、海外に発表する事を視野に入れるのなら、BI-RADSの方が良いんでしょうし。


よくわかりません。
難しい問題ですね。


そう言えば、エコーで使うSTCも日本独自の言葉のようです。
TGCが欧米では一般的だそうです。

もし、海外の学会に発表されるのでしたら、TGCで。

2010年10月11日月曜日

JABTS25 追加



会場の写真撮ってみました。





綺麗な会場でした。


隣のホールではなにやらダンスの大会も行われていました。
綺麗なドレスが展示してありました。


そう言えば、2012年の超音波検査学会はここで行われるようです。


また、来る事ができるかしら....? 

2010年10月10日日曜日

JABTS25 終了

終わりました。


1日しかなかったので、内容が濃かったですね。

いやぁ...勉強になりました。


色々聞いて感じたのは、やはり最近の高性能の機械の画像をどうするか?ってことが多かったように思います。
スポンサード・セミナーでもありましたが、各社いろいろ開発して色んなフィルターがかかっています。
ハーモニック、コンパウンド、音速補正....
これが普通に入っているわけで、でもどれが本当の画像なのか?
今まで見ていた画像が本当なのかどうかも解らないし...
このフィルターがかかった画像が嘘かっていうとそれも解らない....

画像を判断していく上で、今まではアーチファクトと呼ばれるものを利用して内部構造を想像していたわけですが、フィルターをかけるということは、そのアーチファクトをなるべく少なくして見ると言う事にもなると思うんです。
すると、今まで見ていた後方エコーが変わってくると思うし....
見るものによってフィルターのON OFFも大切かと思うけれど、高性能の機械で検査をすると今までの診断基準では当てはまらなくなってくるものもあるのかなぁ...なんて考えたりして....


難しいですね。


技術の進歩。

使う人間が、キチンと理解して使わないといけません。



明日も朝会議があって、午後の飛行機です。
結局札幌観光は出来ませんでした。


今度は仕事ではない時に来れたらいいなぁ....

2010年10月9日土曜日

札幌!

やって来ました。 札幌! 


明日からのJABTSのために、はるばる西の果てからやって来ました。


たくさん勉強できるかな?
聞きたい話しがたくさんあります。

2010年10月8日金曜日

愛おしい機械

新しい機械が入り検査を始めています。

まだ、慣れないのでサクサク検査をすすめて....と言うわけには行きません。



先日も、他の技師が新しい機械で検査をしていましたが、慣れないので時間がかかり古い機械でヘルプにまわりました。



週の初めに新しい機械で検査をしたばっかりだったので、古い機械で検査をすると差がついちゃうなぁ....なんて思ったのですが、いざ検査を始めて見ると...


そうは言ってもこの機械も見えるじゃない! 

と、なんだか愛おしく思えて来ました。


フルデジタルじゃないけれど...
エラストもないけれど...
音速の補正なんてないけれど...


今まで頑張ってきた機械だもの。

お疲れさま。

2010年10月4日月曜日

ついに新しい機械! 

今日は乳腺超音波検査の当番でした。

そう! 新しい機械です!! 


今日はまだ、インストラクターさんが付いてくれています。
検査をしながら、画像を作っていきます。

音速の補正、コンパウンド....調節するところはたくさんあります。

でも、やっぱりキレイですね。よく見えます。


脂肪性の乳房は音速の補正をしてやるとこんなにも見え方が変わるのですね。



あとは....エラスト。

今までの機械になかったので、講習会などでやったことがあるのみで...
難しいです。
上手く評価できる画像を作るためには、まだまだ修行がたりません。


でも、やっぱり良い機械は検査をしていても楽しいです。

2010年10月2日土曜日

第25回 JABTS 札幌

JABTS 25 札幌の抄録が届きましたね。

パラパラと見ていると、聞きたいものばかり。
あれ、この時間...あっちも聞きたい、こっちも聞きたい! 


超音波検査は一人で行なう検査で、独りよがりになりがちです。
こうして人の意見を聞いて自分の考えを再確認する良い機会です。
多いに勉強させてもらいましょう。

JABTS25のサイトはこちら...


http://nyusen.saturingi.gr.jp/jabts/index.html

2010年10月1日金曜日

石灰化 悪性?良性?

先日、MMGで石灰化を指摘され超音波検査を受けにこられた方がいらっしゃいました。
多形性不均一な石灰化の集蔟と思われます。カテゴリーは4


見たとたん、やや....

う〜ん


超音波検査を始めると同じ位置に、低エコー域に集蔟した石灰化。
点状...と言うよりはやや大きいかな?でも粗大とまではいかず...
シャドーは引いてません。

腫瘤は描出されません。


ややや...

悪性の石灰化の印象より何となく弱い感じ....
ムムム

もしかして、FAの石灰化の出来る途中? 
それなら、背景に腫瘤が描出されるか....

いろいろ考えながら、出した答えはDCIS、乳頭線管癌疑い

穿師吸引細胞診の結果はクラス2 

おや? 



ちゃんと取れていたのかな?

良性ならFAの粗大石灰化になる途中の段階? ???? 

ムムム


再検査かな? 
気になる所見でした。