2010年7月29日木曜日

第2回 乳腺超音波診断カンファレンス

昨日は 『第2回 超音波診断カンファレンス』がありました。

前回は約50名の参加でしたが。今回はなんと80名の参加でした。
内訳は 医師 11名 技師 64名 

乳腺超音波検査に対する関心の高さを感じました。


私の住む地域はまだまだ超音波検査を医師が行なっている施設が多く、検査技師が検査に携わっている人が少ないと思っていたのですが、これだけ集まるところを見ると、徐々に検査技師に移行しているのかもしれないな...と感じました。


さて、私は...というと....

やはり、人前で話しをするのは慣れないので緊張します。
超音波所見を解説するのですが、前回の反省もあったので、頭の中で色々シュミレーションしていたつもりだったのですが、始まるとすべてぶっ飛んでしまいました。

そして、最大の失敗は病理解説の前に組織型を言ってしまったことでしょう.....


あぁ...自己嫌悪。




会自体は多くの人が集まったおかげで、白熱したディスカッションもあり大変盛り上がりました。地元で勉強会ができるのは本当に嬉しいことです。長く続けて行きたいと思います。



まずは、反省会....

2010年7月24日土曜日

乳腺診断フォーラム

今日は近くの大学病院で年2回行われる「乳腺診断フォーラム」でした。

第20回と言う事もあって、すごいゲストでした。

癌研有明病院の秋山先生、岩瀬先生 聖路加国際病院の角田先生です。

この3人がよくこんな地方都市まで来てくださったなぁ...と言うのと、よく3人のスケジュールがあったなぁと言うことです。

とにかくこんな良い機会はないと思います。

症例検討は 癌研の症例 vs 大学病院の症例 と言う形で行なわれました。

お互い画像を初見で読んで行くと言うものです。いわゆるガチンコ勝負な訳です。
緊張しますねぇ....
画像診断のあとは、その診断結果を踏まえて、次はどうするか?と言うことですが、検査の進め方、術後の治療など病院によって多少違いがあるのですね...
癌研と聖路加でも多少違いがあるようですし、大学病院もまた違うようです。

ただ、やはり最初の画像診断をうけてどうするか?と言うところを間違えたら、どのタイミングで化学療法をするのか、手術をするのか...患者様のQOLにも関わってくるし、大変だなぁと思いました。


症例検討のあとはそれぞれの先生が「限局型腫瘤について」と題して病理、MMG、US、で話しをしてくださいました。

MMGは先日読影講習会を受けたおかげで話しもよく理解でき、良かったです。
USはやはり角田先生のわかり易い説明です。
病理もわかり易く、今回は限局型腫瘤のみだったのですが、他の講義も受けたいような気持ちになりました。

本当に勉強になる会でした。
こんな良い会に参加した後はしばらく気持ちが高ぶりますね。

2010年7月23日金曜日

カンファレンスの準備

昨日は来週行なう「第2回 乳腺超音波診断カンファレンス」の打ち合わせをしました。

まずは第1回の反省会です。
それと参加者に書いてもらったアンケートの希望や意見を見直してみました。

なんとか、この勉強会を軌道に乗せることができるように頑張らないといけません。



今日は放射線技師さんたちが主体の会で、超音波の勉強会をする。と言うことで、なんと聖路加国際病院の角田先生を招いての講演がありました。

内容は超音波検査を日頃行なっていない放射線技師さん向けに、本当に基礎のところをわかり易く話しをされてとても良い講演でした。

今超音波検査に注目が集まっている中で、やはり勉強会を盛り上げていく大切さをひしひしと感じました。
検査技師でも、放射線技師でも...とにかく超音波検査に関わる人みんなで一緒に勉強し、盛り上げていければいいと思います。


明日に向かってGO!!

2010年7月19日月曜日

MMG読影講習会終了

無事全日程を終了しました。

本当に内容の濃い、充実した講習会でした。JABTSの講習会のよう...
講師の先生方も本当にわかり易く、丁寧に教えてくださいました。

自分の持っている本を書いた先生もいらっしゃり、なんとなく(勝手に)親近感を持ってみたり。



さて、講習の後半は読影試験もありまして....100題です。乳房は左右あるので、結果的には200題。MLOだけのものと、CCもあるものと..
ふだんフイルムを見慣れていない私たちにとって、なかなかキツい作業ではあります。
集中力も途切れそうになります。
JABTSは自分のパソコンで自分のペースで出来るのですが、フイルムが並べてあり、その前を受講生が移動するわけです。空いているところを捜して行なうので、読み抜かしがあったりしてなかなか大変な試験です。

これを放射線技師さんや医師は受けているんだなぁ....


結果は感度88.4% 特異度82.8% C感度81.4%  B-1の評価をいただきました。

Aにはほど遠いですが、まずまずの出来で、自分としてはよく出来たのではないかな?と思っています。

特異度が低いですね。 答え合わせの結果、FADを拾い過ぎでした。
正常乳腺とそうでないもの...まだまだ修行が足りませんねぇ....


今回のこの講習会は講師の先生方も丁寧にわかり易く説明してくださって、本当に受けて良かったと思います。

MMGを見て検査をする以上、やはりキチンと所見を読めるようになりたいと思います。
ただ、漠然と超音波検査をするのではなく、MMGのどこを見て、どんなことを疑っているのかを理解した上で検査に望むのは、改めて大事なことだと感じました。

超音波検査をするのだけど、超音波の勉強だけするのではなく、MMG、MRI、病理、細胞診などなど....いろいろ勉強するのは良いと思います。
そうすると、明日から超音波の見え方が変わってくるかもしれません。

2010年7月18日日曜日

MMG読影講習会

今名古屋に来ています。

超音波検査従事者のためのMMG読影講習会に参加するためです。


1日目は無事終了。

一言で言うと、結構ハードでした。でも、楽しい疲れでした。
MMGは本当にきちんと習ったことがなく、漠然と見ていただけでした。
乳腺外科の先生の読影を見学させてもらったり、質問したりはしていましたが、自分のなかできちんと整理されていなくてバラバラでした。

今回この講習会に参加して、少しでも整理できれば良いと思っています。


しかし! 大変だ!! 


腫瘤はかえってよくわからなくなってきました。
massなのかFADなのか?

逆に今までよくわからなかった「構築の乱れ」が好きになりました。
(好きだからといって、分かるかどうかは別ですが....)


明日のグループ講習は石灰化。


今日も目からたくさんウロコが落ちました。明日も落ちるかな?
疲れたけど、楽しい、面白い疲れです。


明日も頑張ろ。

2010年7月17日土曜日

ジレンマ

私の職場では乳腺の検査はMMG、MRI、超音波、そして穿師吸引細胞診ができます。

MMGで引っ掛かった人は超音波検査を行い、疑わしい場合は細胞診の検査となるわけです。
CNB、MMT などは出来ません。

悪性となった場合、もしくはそれ以上の検査が必要な場合は紹介となるわけですが、紹介状の返事ってなかなか帰ってこないのです。

返ってくるのは、まず、「受診されました、検査を行い結果は後日連絡します。」という内容の受診報告が最初に送られてきて、その後どうなったか...?の結果は送られてこないことがあります。

あとは、結果が送られて来ても「右もしくは左乳癌」とだけ書かれていて、

『出来たら組織型も知りたいなぁ....』なんて思ったりもします。

本心を言うと、病理画像も見たい!! なのですが、そこまでは言いませんが...
せめて最終病理診断を教えてもらえるとこちらも勉強になるのですが...


他の検診機関の方はどうされているのでしょう? 


今日も先週の細胞診の結果を受けて、自分の思っていたのと少し異なる結果でした。
私は乳頭線管癌、もしくはDCISを疑って報告書を書いたのですが、細胞診の結果は多数のリンパ球を背景に悪性細胞が見られると言うものでした。
リンパ球...と聞いて思い浮かべるのは「髄様癌」
ムムム
....

超音波検査をしながら1点気になっていたのが、不整形低エコー腫瘤のそばにモコモコした小さな高エコーの塊の様なものがあり、なにかなぁ...?と思っていたのですが、リンパ球の浸潤だったのかな? おや?

細胞診の部屋に行って顕微鏡を見させてもらうと、確かにリンパ球だらけで、上皮成分が少ない。細胞診の人の話しだと細胞の感じが「小葉癌」のようにも見える...と。


う〜ん。

小様癌のリンパ球浸潤...? 


こんな風に悩む症例は、やっぱり病理画像が見たいと思うのです。
なぜ、エコーでこんな風に見えたのか、知りたいのです。


病理検査を行なっている施設で検査をしている人がうらやましい!! 


周術期機関の先生方には紹介元の検診センターに、是非病理結果を詳しく書いて返してもらえると、検診センターで働く技師の励みになるんだけどなぁ...。


検診センターの検査技師のジレンマです....


知りたい気持ちが高まって、勉強会ごとに総合病院の技師さんに声をかけ友達になろうとしています。出来れば病理学会などに参加して、病理検査室の技師さんと友達になれたら良いんだけど....(ナンパ?)


他の検診施設の皆さんはどうされているんでしょうねぇ?
自分の行なった検査へのフィードバック...

2010年7月14日水曜日

素朴なギモン

以前ここでも書きましたが....


米国予防医学専門委員会の発表した40歳代のMMG検診の推奨グレードが下がった話しですが....


検診を受けても利益(死亡率の減少効果)が不利益(精検の結果がんではなかった人に対する不要な検査など)が上回る度合いが40歳代は50歳代に比べて少なかった...と言う話しだったと思うのです。


これをうけて乳癌検診学会のサイトに学会の見解が出されています。
アメリカのデータに基づいたもので、日本でそのまま適応はできない。
日本の不利益データが不足しているためデータ収集が急がれる...などなど


詳しくはサイトをご覧ください
日本乳癌検診学会 http://www.jabcs.jp/



で、ここでちょっと思ったのですが....ここからは、上の話しとズレますが..

アメリカ在住の日本人、日系人はどうなのでしょう? 
検診の適応はアメリカに住んでいる以上アメリカのものに従うとして(おそらく保険会社などの適応も)... それよりも疑問なのはアメリカ在住の日本人(アジア人種)は40代〜50代に乳癌が多いのか?それともアメリカに長く在住していれば欧米人のように高齢者に増えてくるのでしょうか? 

以前糖尿が専門の先生が北米検診に行かれた時に、アメリカ在住の日本人に対して検診を行なったそうですが、同じ年齢で比べると日本に住んでいる人よりもアメリカ在住の人の方が糖尿病の発症率が高いそうです。 まぁ、それは糖尿病が食生活に起因するところが大きいせいと思いますが....

乳がんのリスクは食生活だけではないので、何とも言えませんが、食生活や生活スタイルが変わると人種をこえてその土地の人と同じような体質(?)に変わるのでしょうか? 
すると欧米にすむ日本人は....? 


なんだかややこしくなって来ましたが、何でも欧米化。 
発症年齢も欧米のように高齢化して行くのでしょうか?

2010年7月5日月曜日

わずかな不安

先日、乳腺外科の先生の異動がありました。


私の職場は検診センターで、近くの病院から週に3回非常勤という形で来られていました。
技師の指導に熱心だった先生が他の施設へと異動されたので、うちの職場には新しい先生が来られるわけです。



われわれ超音波検査技師はやはり医師の指導と信頼があってこそだと思うのです。
超音波検査というのは、誰が行なっても良いわけです。
医師によっては、「自分でやったものでなければ信じられない」といって技師に検査をさせてもらえないこともあります。
それはレントゲンと違って超音波検査は独占業務ではないし、検査が客観性に欠けるからだとおもうのです。検査をした人が異常がないと言えばそれまでです。

だからこそ、医師と同じ判断が出来るように指導してもらい、自ら勉強し信頼してもらえる検査が出来るようにならなければいけないのだと思います。


そうして自分の病院のカンファレンスにも院外の私たちを呼んでくださり指導していただいた先生がいなくなると、少し不安に感じます。

病理結果が分からなければ、超音波検査のフィードバックが出来ないので上達しないと思うのです。


われわれコメディカルは医師によって大きく左右されます。
検査室に通ってくださる先生がいらっしゃれば頑張ろうと思います。
でも、どんなに頑張っても検査のデータを信用してもらえないとモチベーションも下がって来ます。



今回の医師の異動では何となく、将来にわずかな不安を感じています。


いくら自分で頑張ってもどうにもならないことはあります。

2010年7月3日土曜日

女性化乳房

乳腺超音波検査をしていると、時々男性の患者様もいらっしゃいます。

そのほとんどが前立腺の治療中です。
前立腺がんの内分泌療法で女性ホルモンを服用されていらっしゃいます。

検査のときに、話しを伺うと大体痛みを伴うといわれる方が多いです。
ちょうど思春期の胸が膨らみかけた頃の女の子も同じだと思います。(かすかな記憶...)


前立腺癌も治療し、これで乳癌も....と不安に思う方もいらっしゃいます。
たいていは女性化乳房です。
女性化乳房症とは、男性で何らかの原因により、女性ホルモンのエストロゲンと男性ホルモンのアンドロゲンの不均衡が、本来なら萎縮しているはずの男性の乳腺組織の増殖をうながして乳房が病的に増大したものと考えます。

男性乳腺は乳頭直下にわずかに存在するのみで、小葉はありません。
なので男性には小葉癌は発生しません。線維腺腫、嚢胞、腺症など良性乳腺疾患も小葉の病気です。
乳腺が薄いので浸潤癌は容易に他の組織へ浸潤してしまいます。

男性が来られた場合は、そのほとんどが「女性化乳房症」ですが、男性乳癌もごくわずかに存在します。気をつけて検査しなければいけません。

「きっと女性化乳房症だ...」なんて決めつけて検査していると、大変です。


以前、患者様の名前を呼んだら男性が検査室に入ってこられ、再度カルテを確認したら『男』と書いてありました。名前も女性でもいい感じの名前だったのですが....
カルテは検査前にきちんと隅々まで目を通して、既往歴、性別なども確認して検査に望まなければいけません。(当たり前ですね....)
乳腺超音波検査には男性患者様もたま〜に来られます。

待合室は女性だらけなので、肩身が狭そうにしていらっしゃいますが....