2010年5月29日土曜日

ハローってなんだ!?

乳腺超音波で『ハロー』と言えば腫瘤の周りにある「高エコー帯」と言うことになっています。
腹部領域ではその逆で「辺縁低エコー帯」と言うことになり、ちょっとややこしいですね。


じっさい「halo」は観音様の頭部に光っている後光のことを指すんだとか...?



で、乳腺領域のハローですが、腫瘤のまわりに癌細胞などがバラバラと浸潤し、その後方散乱によりエコー輝度が上がることによって高エコーに見えるというものだと考えています。
なのでこのハローが見られると浸潤を考えるわけですが....
先日病理画像と比べている時に、腫瘤の周りにリンパ球の浸潤が起こって、それが超音波画像で辺縁が高エコーに見えるというものがありました。

この場合、ハローはあるのですが、いわゆる癌細胞の浸潤ではなくリンパ球によりハローが出来た。ということになります。
で、これは病理学的には浸潤ではないということになります。

とても興味深い所見だと思いました。そしてますます病理が面白いと感じました。
超音波の基本の物理の知識も必要だと感じました。


またひとつ、乳腺超音波にはまった症例でした。

2010年5月28日金曜日

第25回 JABTS 札幌

先日JABTSより第25回JABTSのお知らせがきていました。
web site立ち上がったようです。

次は札幌!! 


札幌と言うだけで、ひかれますねぇ....
連休の合間なので、仕事を休む必要もないですし、行きやすいかも?
ただ飛行機代や宿泊代は高くつきそうですね。

今回の『組織型を極める』は「線維腺腫」 
う〜ん! シブい!! 

基本に戻って、と言う感じでしょうか? 
線維腺腫を間違えなければ、一流だそうですからこれも是非参加してみたいですね。


JABTS25のサイトはこちら 
http://nyusen.saturingi.gr.jp/jabts/index.html

第1回 乳腺超音波診断カンファレンス  無事終了

先日、無事に『乳腺超音波診断カンファレンス』が終了しました。

近隣施設から医師、技師(放射線技師、臨床検査技師)あわせて47人の参加がありました。
本当にほっとしました。

準備をしてくださった施設の先生方に感謝です。本当に。


参加者はわりと検査をはじめて間もないと言う人が多かったように思います。


今回は3症例取り上げたのですが、私は2番目を担当しました。

なかなか、人前で話すことになれてなくて、途中から何を話していたか分からなくなるくらい緊張しました。
あとで、こう言えばよかった、ああ言えばよかった...と反省することばかりです。
でも、この反省をまた次に向けて頑張りたいと思います。

人に説明すると言うのは本当に大変なことです。
自分の勉強不足を実感しました。


これから、また次回へ向けてめげずに頑張って行きたいと思います。

2010年5月22日土曜日

勉強会の準備

『乳腺超音波検査の勉強会が出来るといいんですけどね...』
『子どもがいるとなかなか他県の講習会にも行かれないし....』


などと医師と話してから、はや半年が過ぎ...

今現実になろうとしています。
一重に協力してくださる乳腺外科や病理の先生のおかげです。言い尽くせない感謝。


それでも、おんぶにだっこではいけないので、なるべく出来る事はやらないといけません。



で、症例のスケッチを描いたり、所見を書いたり。
でも...人に説明をすると言う事は、自分が充分に理解していないといけないわけです。

そう言えば、どんな事でもヒトに教える事は、自分の勉強になりますよ..と言いますね。


大変だけど、頑張りたい。
長く続く勉強会にするためにも。

そして、協力してくださる医師のためにも。

2010年5月18日火曜日

乳腺超音波勉強会 始動

乳腺外科の先生と

『乳腺超音波検査の勉強会が出来たらいいね』

と話しをしたのが半年前....


実際、私のような検診センターに勤めている物だけでは、病理画像を集める事も難しいので、実際は勉強会も開催するのは難しいなぁ...と考えていたら、医師の協力というか全面的にバックアップしていただいて勉強会が開催できる事となりました。

今日はその症例の所見のすりあわせてで、担当者が集まって話しをしました。


つくづく思うのは、検査は一人でするわけではない。
超音波は一人でする検査なので、モニターを見て自分の世界に入りがちなのですが、MMGを見る、病理の話しを聞く、そして最終的に診断を行なう医師の話しを聞く...とても大事な事だと思います。
超音波検査だけに携わっていると、他の検査に目がいかない人がたまにいるようですが、違う検査を見てみると、超音波検査をする時にも役に立つと思います。


色んな職種の人が集まって話し合うって良いなぁと思います。見方もそれぞれ...



良い勉強会ができるといいなぁと思います。

2010年5月17日月曜日

良性と悪性の分かれ目

先日、カンファレンスに参加していて驚いた...というか、考えさせられた症例がありました。


その患者様は...
2006年 検診でMMGで異常を指摘され、精査のため総合病院へ行き、CNB施行 良性
その後3年間フォローし変化なしと言うことで、近くの検診施設でフォローと言う形で私の働く職場へ検診フォローと言う形で紹介となりました。

2009.4 超音波検査で 不整形な低エコー腫瘤を認めるものの、2008.10の紹介元の施設で撮られたエコー所見と変化無く、CNB良性と言うことでしたが、念のためABC施行。良性。

2010.2 不整形低エコー腫瘤は大きくなっており、紹介元の総合病院へ再度紹介。精査の結果、乳頭腺管癌でした。


う〜ん。
この腫瘤は2006年の時点ではどうだったのでしょう?
異形性? 過形成?
画像所見として、細胞学的に悪性とは言いがたい物だったのか?

気になったので、細胞診の人に2009.4のABCのスライドを見せてもらいに行きました。
細胞検査士の人も気になったそうですが、これで癌と言い切るには所見が足りないそうで...

あとで見返すと確かに1点核小体が目立つところがあるようですが...

難しいですね。

異形性と癌の境目...というか、どの時点で『癌』と言うかは難しいのだと思います。
この患者様の場合は、4年目で悪性となってしまったわけですが、フォローって大事だなと思いました。
結果1cmにならない8mmで見つかっているので良かったと思います。

2010年5月9日日曜日

自動スキャン

引き続き、超音波検査学会です。

今日はランチョンセミナーで「乳房自動スキャン」の話しを、もう一度聞いてみました。

結論から言うと、昨日の私の持った印象とは全く反対になりました。
昨日はあまり良い印象を持っていなかったのです。...というか、検査技師を否定されているような気が勝手にしていただけなんですけど....。

今日は亀田メディカルの戸崎先生の話しを聞いていて、なるほどなと何度も思ってしまいました。
超音波検査にはどうしても検査者の主観が入ってしまいます。
悪性だと思いながら検査をすれば、より悪性らしく見せようと写真を撮るでしょうし、またその逆もあり得るでしょう。
でも、それでは正しい画像診断は出来ないのだそうです。
あくまでも客観的にデータは集められなければいけないのです。

今日見せてもらった自動スキャンの写真は思ったよりもずっと綺麗でした。
むしろ均等に圧迫されているので乳管などは手動よりも綺麗な印象を持ちました。

そして、何よりあとから画像構築が出来ることが良いのだと思います。

本当に今までの超音波検査の常識とはまったく違う画像診断のようにさえ感じました。


これから、この検査の需要が伸びれば開発発展して行くでしょうし、これからが楽しみです。
もしかしたら、一次検診では自動スキャン、二次検査以降を人が行なう...なんてことになるのかもしれません。

今回の学会では、色々なたくさんの話しを聞くことが出来て有意義に過ごせたと思います。
明日から、頑張りましょう。

アグネス・チャンさんの特別講演

特別講演はアグネス・チャンさん『私の命は、みんなの命』でした。

アグネスさんは乳がんを経験されたんだったよなぁ...くらいの知識しか無く聞いていました。
講演が始まると、すぐご自分の病気体験の話しから始まりました。
唾液腺(...だったかな?)の腫瘍があったようで、その手術を受け、その後遺症で右半分の顔の感覚がなくごはんを食べるのも大変で、顔も曲がってしまってテレビやコンサートなど人前に出るのが嫌だったとお話しされました。
その後、顔の方が落ち着いてきた頃胸にシコリを発見したそうです。

手術は聖路加国際病院でされたようです。
『術前のマッピングは普通のマジックでした。医療用の物があるのかと思ったら、普通のマジックなんです。』と奇しくも以前JABTSの講演で山田邦子さんがお話されたのと同じことを言われました。
ふつうの文房具のマジックと言うのは緊張している患者様にとっては、印象にのこるものなんでしょうか...? 


アグネスさんの話しを聞いていて、彼女の周囲の人はとてもステキな人が多いんだな..と感じました。
最初の唾液腺の腫瘍のときも、ショックを受けている彼女にお姉さんが
「命がある、生きているんだから、何を悲しんでいるのか?」と問いかけています。
良性の腫瘍なら心配をかけまいと手術までお母さんにも黙っていたら、
「あなた一人の命ではない。あなたを世に送り出したのは私だ。母親をなんだとおもっている?」と...
乳がんの告知を受けたとき、ご主人も
「ショックを受けても人にはそれぞれ寿命があるんだから、寿命が無くなれば亡くなってしまうけれど、寿命がある間は死なないんだから、あなたは生きている」
と...
言葉は少し違いますが、みなさんそれぞれ辛いのに、とてもステキな言葉をかけていらっしゃいます。


講演の間中涙腺は緩みっぱなしでした。



命の大切さ、命はつながれて行く...とても良い講演だったとおもいます。



最後に少し、ユニセフの活動の話しをされました。
もし、また機会があれば彼女の話しを聞きたいな...と思いました。

2010年5月8日土曜日

第35回超音波検査学会

第35回超音波検査学会に参加するため大阪に来ています。

今日のランチョンセミナーは『乳癌と戦う技術』と題して、各社メーカーの機械紹介です。
2社が最近話題の自動スキャンの機械の紹介がありました。

聞いたことはあるけれど、いったいどうなっているのか?ちょっと興味半分、機械に負けてられない...という気半分。
まずは敵を知ることが大事と思い聞いてみなければ..(敵でもないけど)


一つは普通のエコー検査と同じで、仰臥位で乳房を薄いパネルのような物で圧迫してスキャンする。もう一社は伏臥位で水槽の中に乳房を浸して下から自動スキャン。

....
聞いていて思ったのは乳房にパネルを置いてスキャンして、乳房全体がスキャンできるのかな?
外側はキチンとスキャンできるのかな?
伏臥位でする方はなんとなくMRIと同じ体位になるし、まぁいいのかな?とも思いましたが...

検査に10分かかると言うことで、人がすることとあまり変わらないのでは?(むしろ長い?)という感想です。
ただ、MRIのようにあとからいくらでも画像構築が出来るようで、乳房全体の画像データが残るのはいいように思います。

ただ、気になったのは『経験の浅い技師でも簡単に検査が出来ます』という文言です。 

確かにボタンを押せば自動スキャンが始まり、検査終了後、医師が読影できるのでしょうが、それなら始めから医師が検査すればいいのでは?
検査技師は機械のお守役?
あとから誰でも読影できるというのは良い事だと思うのですが....
検査時間と読影と同じだけ時間をかけるのはナンセンスとも感じます。
確かにそこが超音波の精度管理の難しいところなのかもしれません。

それに「簡単に誰でも検査できる」というのが気に入りません。

検査技師は超音波検査に限らず、検査結果に責任を持って出せるように、日々勉強をしているわけで...「勉強なんて必要ないんですよ」といわれているようで、なんだか違和感を覚えます。
色んな検査でいかに人為的なミスをなくすかということで、機械任せになり検査手技が簡便になっているのも確かなのですが...

とは言え、検診では有用なのかもしれません。

私的にはやっぱり『機械には負けられない!』と思うのですが、需要があるのならばこれからの開発に注目です。

明日のランチョンもこの機械のメーカーさんのものがあったので、もう一度聞いてみようと思います。私の中では、この機械はまだ複雑な感じです。



こういった学会では、色んな先生の意見のぶつかり合いも楽しみの一つです。
たくさんの意見が聞くことが出来るのも勉強になります。
明日も、もう一日頑張りましょう。

2010年5月2日日曜日

登録完了

世の中連休真っただ中。
今回は仕事も入ってなく、カレンダー通り休みを頂いています。

休みの間に色々整理したいなぁ...と考えています。


さて、連休の初日に先日登録した「ピンクリボンサポーター」から登録完了のお知らせと、グッズが届きました。



サポーター登録証と冊子と、バッグでした。

休みの間に少し読んで勉強しておきます。