2010年4月24日土曜日

ピンクリボン活動

検査室から離れた話しです。


NPO法人のJ.POSHというところでピンクリボン啓発グッズを購入しました。
今回は『ネックレス』を買いました。
バッジは白衣につけていますが、私服に付け替えるのもちょっと面倒くさいと思っていたのです。
で、ネックレスならさりげないかな...?と思い購入してみました。
子どもの習い事の発表会、参観日など人の集まるところなど良いかなと思います。



届いた荷物の中に「ピンクリボンサポーター」や「奨学金」などの制度があるお知らせが入っていました。
どちらも良い制度だと思いました。

とりあえず「ピンクリボンサポーター 個人」の登録をしてみようと思います。
大きなことは出来ないけれど、何か役に立てることはあるかもしれません。
奨学金は私もお世話になったので大金は協力できないけれど、すこしずつ協力できれば良いと思います。


J.POSHのサイトはこちらhttp://www.j-posh.com/

2010年4月20日火曜日

フルデジタルと物理の話し

私の職場で現在乳腺超音波検査を行なっている、エコー機は古いです。と言っても、10年は経っていません...が、フルデジタルではありません。


さて、機械の更新に伴って何社かのデモを去年の秋から年末にかけて行なって、購入も決まったようです。

めでたし、めでたし。


と、思っていたのですが...最近気になることがあります。
デモ機を使用している時に思ったのですが、新しい機械は色々な画像処理が施してあり、キレイに見えます。
キレイに見えて、アーチファクトが無くなるのです。
必要なアーチファクトもあるのです。(乳腺超音波検査では特に)
空間コンパウンドという多段送受信の機能ですが、腹部などでは消化管ガスなどの下は見えなかったのですが、これがあると回り込んで、色々な方向から超音波を送受信できるのでガスの下も見えやすくなる...と言うものだと思います。
で、乳腺ですが、腫瘤の下の後方エコーが減弱するのは超音波の透過率が悪いものが腫瘤を形成している、と考えます。
でも、この空間コンパウンドのおかげで(?)後方エコーの減弱もあまり目立たない気がします。
それからハローですが...これは物理で言うと後方散乱が起こっているわけです。
超音波の波長より小さな不均一な物体(細胞組織のような..)の集合体に超音波が入射すると周囲に反射、散乱が起こるわけです。
これも、あまり目立たないような気がします。
気のせいかな?

それから、あるメーカーは音速補正というものが付いていました。
生体内は軟部組織の平均的な音速として1530m/sで計算して画像を構築しています。
が、脂肪は音速が少し変わって1430m/sな訳です。
脂肪肝などはこの音速補正が入ると、今までよりは多少違った絵が見られるのかもしれません。しかし、乳腺では...
硬い腫瘤の下は後方エコー減弱するのですが、欠損までしない限り大胸筋のあたりは結構観察できるのです。それで、硬い腫瘤の中はそこだけ音速が速いわけです。と言うことは、そこだけ早く超音波が受診されることになり実際の位置より少し絵が上に歪むのです。
お分かりいただけますでしょうか?
硬いものは早く伝わるので、周囲より早く送受信がなされ、早く像を結ぶのです。なので画像上は歪んでいますが、実際に歪んでいるわけではないのです。

私は結構これを見て、腫瘤の下が歪んでいると線維成分が多いのかなぁなんて考えていたのですが、音速補正が入るとこんなことも無くなるのかなぁ...なんて考えたりします。


カンファレンスなどで新しい機械の画像を見ると、石灰化もキレイに描出されてるし、いいなぁと思う反面ハローや後方エコーが少し分かりにくいなぁ...と感じたりもします。
新しい機械の画像に慣れないといけません。

慣れるまでは、コンパウンドの処理を外して検査をする方が慣れ親しんだ画像かもしれません。技術の進歩に付いて行くのは大変です。
物理の勉強もたまにはしましょう...。

2010年4月16日金曜日

超音波検査士のためのマンモグラフィ講習会

マンモグラフィ検診精度管理中央委員会のサイトで
『精密検査に従事する超音波検査士のためのマンモグラフィ講習会』
というのを発見し、さっそく申し込みをしました。


超音波検査をする時に必ずMMGを見るものの、キチンと習ったわけではないし、一度キチンと習いたいなぁと思っていました。

時間が許す時は医師の読影を見学させてもらうのですが、なかなか時間が合わず...最近は心エコーの勉強を始めたので、そちらに時間を取られて、なかなか乳腺に集中できなくなっています。


が、しかし! 
私の中では、なぜか乳腺エコーは他とは違う格付けで、頑張って行きたいと思っています。

この講習会は遠藤先生のお膝元名古屋で毎年2回実施されているようです。
少々割高ですが、得るものは大きいと思います。

これから夏の講習会に向けて、MMGの勉強を始めましょう。

2010年4月15日木曜日

良性疾患の引き出し

先日カンファレンスでカテゴリー4か5かで質問されることがあり、ふと考え込んでしまいました。

ご存知の通り、JABTSの検診診断樹はすこし複雑なのです。

カテゴリー5と単独のものはなく、ほとんどがカテゴリー4、5と書いてあるのです。
カテゴリー5となるところはハロー(+)、それでも(4)が付いていたりします。
MMGのカテゴリー分類と少し趣が違うのかもしれません。

質問されたのは、境界明瞭粗造な低エコー腫瘤でW/D比も高く後方エコー不変〜やや増強で内部に微細点状高エコーを伴い、乳管内進展と思われるヒゲのようなものも描出されていたので、私は乳頭腺管癌(DCIS)か充実腺管癌を疑い、「カテゴリー5です」と言ったのですが...
この腫瘤はハローもはっきりせず、前方境界線の断裂もはっきりしませんでした。
この2つが(ー)の場合カテゴリー5ってどうなんだろう...?と言っておきながら、あとから思ったのですが、逆にカテゴリー4だとすると鑑別診断にあげる良性疾患が思い当たりません。となると5でいいのか?

う〜ん....

しばらく、悶々と考えてしまいました。

カンファレンスの帰り道、悩ましい診断樹と自分の疾患の引き出しの少なさに反省しきりでした。
また、画像を見た時に自分の頭に思い描いていることを、うまく説明できないのも反省です。


日々、勉強。

2010年4月14日水曜日

お母さんのおっぱい

先日、春休みという事もあってか、お母さんの乳癌検診に6−7歳くらいの女の子が付いてきていました。
超音波検査のときに『一緒に入っていいよ』と、その女の子も検査室に入ってもらいました。

私の職場では超音波検査室にMMGも見ることができるようにモニターが設置されています。

その女の子は検査室に入ると、まずそのお母さんのMMGの画面に目が釘付けになっていました。
検査の間は、薄暗い部屋で静かにしていたのですが、検査が終わると

『これお母さんの?』

と聞いてきました。

「そうよ」

と答えると...

『うへぇ キモ』

と言ったので、

「でも、このおっぱいのおかげで大きくなったんでしょ?」
と言うと

『そうかぁ...』
とまたまじまじ画面を見つめて、お母さんの顔を見ていました。



6-7歳くらいというと、ちょうど色々学校で友達と会話が増え、体に関することは何でもキモイと言う年頃でしょうか...ウチの子もそれくらいです。

mammaとは乳房と言う意味と、お母さんと言う意味があります。
ちなみにmammalはほ乳類。


この女の子は「お母さんのおっぱい」で何か大切なものを感じたのではないでしょうか?

2人を見送って、ちょっと温かい気持ちになりました。

2010年4月12日月曜日

悩ましい石灰化

乳腺超音波検査をしていて、いつも悩むのがMMGで微小石灰化を指摘されて超音波検査になった人です。
カテゴリ5が付くような石灰化はいのですが、カテゴリ3の良性なのか?のような所見です。

超音波でなにかしら描出されるのなら良いのですが、何も描出されないとき....
周りと違う低エコー域や乳管の流れが変わってないかとか、見落としてないか?とか必要以上に時間がかかってしまいます。

腫瘤形成性病変のように「ある」か「ない」かすぐ描出できればたとえ悪性病変でも時間はかからずサクサクと検査は進むのですが....

最近のフルデジタルの機械だと石灰化もキレイに見えるそうで、石灰化が見えなくて『これが超音波の限界だ〜』などと言うこともないらしいのですが、私の職場の機械ではまだまだ、難しいです。

検査の前にMMGをみて『ふぅ〜』っとため息をつく日は続きそうです。

2010年4月11日日曜日

ダブリングタイム

先週JABTSより『過去画像対比可能な超音波発見乳癌症例集』という本が送られて来ました。

内容は...癌が発見された症例で、前回検査の記録と対比できるもので、それぞれの画像がのせられていました。
非常に興味深いもので、勉強になります。

すべての乳癌が...と言うわけでなく、集められた135例の検討なのですが、それでも思った以上にダブリングタイムの短いものが多いんだな...と言う印象を受けました。
(そう言った症例が集まった...と言えるのかもしれません)

でも、そうなると、今のように2年に1回の検診では「早期発見と言うのは難しい症例もあるのだ」と言うことを頭に入れておかないといけないなと思いました。
そう言えば、私も1度経験しました。
1年前の検診では正常。その後職場検診でMMGを受けて正常。その7ヶ月後気になるので検診にこられた時は2cmを超える充実腺管癌と言うことがあり、驚いたことがありました。


パラパラとめくっていて...カテゴリー3が付いているのに、1年後検査の画像が載っているのは少し疑問に思いました。カテゴリー3で精査とならなかったのかな?細胞診、MRIなどしなかったのかな?精査は良性となったのかな? 
あとは...これが!と思うようなものが1年後2年後に変化しているものがありました。



ただ...こんなのを見ると、また明日からの検診で必要以上に引っかけすぎないようにしないといけませんね。

2010年4月7日水曜日

無料クーポン券の駆け込み受診の後で...

去年子宮がん、乳がん検診の無料クーポン券が配られました。
3月にその無料クーポン券を使っての駆け込み受診(1次検診)が急増しました。

で...その倍増した受診者の要精検者の2次検診の受診者が増えています。
今日、超音波検査に来られた人ではフォローの人よりも、「今回始めてMMGで引っかかりました」と言われる人が多かったです。
今日は、良性悪性含めて有所見率が高かったです。
日によっては、何も所見のない人ばかりの日もあるのですが....


受付の人に聞くと、今回無料クーポン券を使って始めてMMGを受けた人で精検呼び出しになっている人が多いそうです。
始まった時は賛否両論あったようですが、まんざらクーポン券は無駄でもなかったようです。
特に主婦、子育て世代は自分の検診に時間とお金をかけることをしない人が多く、無料だから行ってみよう...と考える人も多かったようです。
『初めて検査を受けたら...』と言われる人が多く自覚症状もない人も多かったです。

私は検査の前に触らせてもらうのですが、MMGを見て触るからなのか、手に触れることが出来るものが多いです。自己検診をする人が少ないせいか、案外シコリがあっても気がついていない人が多いのにも驚きです。


これからしばらく駆け込み受診後の精検が増えることになりそうです。
今回の事で乳癌検診の裾野が広がったのは良い事だったのではないでしょうか?

2010年4月6日火曜日

乳癌と妊娠

今日ネットで面白い(興味深い)記事を見つけました。

「妊娠が乳癌生存者を守る」というもの。
なんでも....乳癌を経験した後に妊娠した女性では生存オッズが高まる可能性が、新しい研究によって示唆され、乳癌と妊娠について検討した他の2件の研究とともに、スペイン、バルセロナで開かれた欧州乳癌学会で報告されたそうです。

研究の結果、乳癌の診断後に妊娠した女性の死亡リスクは、妊娠しなかった乳癌患者に比べて42%低かったそうで、ホルモンが原因であると推測されるそうです。エストロゲンは乳癌腫瘍を刺激するが、一定レベルを超えるとその疾患から保護することができるとか? また、母親は妊娠中に、保護作用を有する抗体を産生するらしいです....。


さて...
この記事を読んで、まず乳癌経験後に妊娠...と言う人がどれくらいいるのか?ということを思い浮かべました。
若年者乳癌と言うことでしょうか?
なんとなく、乳癌の治療後は妊娠を勧めないのかと思っていました....

はたしてヨーロッパの研究なので人種が違えば、なんとやら...なのでしょうか? どこまで信用できるのでしょうか?


海外の色々な学会のレポート見ていると、『えっ!?』と思うもの、『へぇ〜』と思うもの色々あって勉強になります。
ただ、すべてが日本で受け入れられるかは別物ですけど。

2010年4月5日月曜日

JABTS 24

JABTS24の抄録が手元に届き、読んでいます。

今回仙台と言うことで、私の住む地方都市からは、飛行機の便が仙台着が昼過ぎ(というより夕方...)しかないので、参加はあきらめて抄録を眺めています。

でも、見れば見るほど興味深い内容で、聞いてみたいセミナーやシンポジウムが目白押しです。
毎回楽しみにしている『組織型を極める』は今回「浸潤性微小乳頭癌」です。
聞きたいなぁ....


面白そうな企画としては、ランチョンセミナーの『診断力にチャレンジ』で携帯電話で参加型のセミナーです。
これは楽しそうです。
次回からも是非続けてほしいです。


あ〜...見れば見るほど、行きたいなぁ....。

サイトはこちら
JABTS 24 仙台

2010年4月2日金曜日

医療費の現実

穿師吸引細胞診の検査結果を聞きにこられた方がいらっしゃいました。


その方は、70代で2年前にご主人を大腸がんで亡くされ、やっと気持ちが落ち着いたので自分の検診を受けようとMMGを受けられたのだそうです。すると、要精密検査のお知らせが届き、超音波の検査を受けにこられたのでした。

超音波検査のときにご主人の話しをされ、自分がもし癌だったら、もう治療をするお金がないからどうしようか...と言っておられました。
手術はなんとかできても、その後の治療が出来ない...と。それなら、手術せずにこのままの方が良いかもしれない..と。

超音波検査では前方境界線断裂、ハロー(+)後方エコーが増強しているD/W比の高い低エコー腫瘤が描出され、私は充実腺管癌を疑うと書きC5をつけました。腋窩リンパ節は肥厚しているものの明らかな転移とは言えず、胸骨傍リンパ節はinternal mammary area開大なし..でした。


穿師吸引細胞診の結果はclass5


その方への説明と紹介状を医師が書く時に、やはり金銭面のことを心配していらっしゃいました。

これは、切実な現実問題だと思いました。
今まで、検査を行ない早期発見を心がけて検査をして来ましたが、癌を見つけて終わるのではなく、その後の治療もまた患者様にとって大変なことが待っているのだという現実を改めて考えさせられました。
頭では分かっていたつもりでしたが、今回はこの患者様の言葉が心にズシッと響きました。
高額医療費の補助などの制度はあるのでしょうけど、放射線療法やホルモン療法、化学療法...どの治療法になるにしても高額な医療費になることは間違いないようです。

先生が説明されるのを聞きながら、何となく考え込んでしまった日でした。

Breast Imaging MOOK

今日、同僚の放射線技師さんから1冊の本を紹介されました。

乳腺画像診断の本です。
超音波、MMG MRI PET/CT などなど

すべての検査画像についての本です。
よ〜く見てみると、その彼の名前が....MRIについて彼が書いていました。 


素晴らしい!! 
優秀なことは知っていたけれど、すごいなぁ。



皆さんもいかがですか?
こちらから、見ることが出来ます。
(注文も出来ます。今はキャンペーン中で送料無料になってました)

『Breast Imaging MOOK 』http://www.eizojoho.co.jp/book/breast_mook.html 

2010年4月1日木曜日

Breast screening 'saves lives'

私は毎朝通勤の時にiPodでニュースを聞いています。

今朝BBCのニュースで興味深いレポートがあったので紹介します。

2人の医師のインタビューです。

http://news.bbc.co.uk/today/hi/today/newsid_8596000/8596225.stm

スクリーニングの考え方、over diagnosisなどなど....


こちらも興味深いインタビューやブログとリンクしています。

http://www.bbc.co.uk/search/breast_cancer

いかがでしょうか?